個別指導塾フランチャイズの契約期間はどれくらい?
フランチャイズを利用して個別指導塾の開業をしようとしているときには契約期間について検討することが大切です。
ロイヤリティーの対価として本部から支援を受けられる期間が定められていて、その期間が終わった後にどうするかも考えなければなりません。
どのくらいの期間になるのが一般的なのかを理解しておきましょう。
一般的な期間はどのくらいなのか
個別指導塾に限らず、フランチャイズ契約をするときには一般的に期間が定められています。フランチャイザーとしてはさまざまな支援をしたにもかかわらず、加盟金とロイヤリティーによる収入が十分に得られなかったら大きな損失になってしまうのは明らかでしょう。
ロイヤリティーは月間や年間の売り上げに従って定められるのが典型的なので、一定以上の期間は経営を続けてロイヤリティーを払ってもらえる仕組みにしてあるのです。ただ、このような期間が定められているメリットはフランチャイザーだけでなく加盟店側にもあります。フランチャイジーとなって支援を受けられるという想定で起業したにもかかわらず、突然サポートがなくなってしまうと廃業せざるを得ない場合もあるでしょう。そのようなトラブルが発生しないようにするために長めの期間を設けているのが一般的です。
せめて事業を軌道に乗せられるようになるまでは契約が続くようにするというのが基本となっています。個別指導塾の場合の期間についてガイドラインがあるわけではありません。そのため、契約先のフランチャイズによって期間にはかなりの違いがあります。一般的には三年間から六年間程度となっていて、平均的には五年間というのが現状です。
短くても三年間というのは塾の性質から考えるとわかりやすいでしょう。一年生が入塾したとすると三年間あれば中学生や高校生が卒業して実績ができることになり、その実績を使って次の生徒を募集できるようになると考えられます。そのため、少なくとも独立して事業をおこなえるようになるためには三年間程度は必要だと捉えるのが適切だと言えるのです。
ただ、実際には開業するまでに準備期間が必要になってしまうので契約してからすぐに事業を始められるわけではありません。また、講師を募集して経営方針を理解させたり、生徒を募集して指導をおこなえる状況にこぎつけたりするまでにも時間がかかってしまいがちです。
それに加えて、三年間という短い期間で十分な実績を作り上げることができず、独立した途端に生徒が見つけられなくなってしまうリスクもあります。もっと長い期間にわたってサポートを受けたいというフランチャイジーも多く、安心して加盟を申し込めるように長めに期間を定めているケースが多いのです。
期間が終わってしまったらどうなるのか
フランチャイズ加盟店として個人指導塾を経営していき、契約が満了してしまったらどうなるのでしょうか。契約が切れた時点でロイヤリティーなどを支払う必要はなくなる一方、フランチャイズ契約によって受けられていたメリットが全て失われることになります。
ブランド名や企業ロゴなどを使用することはできなくなるのが原則で、使用したい場合には独立した経営者として契約をして対価を支払わなければなりません。提供されていた教材も使用できなくなり、使いたい場合にはやはり独立した経営者として手続きをする必要が生じます。
この他にも講師の募集を自分でおこなわなければならなくなる、経営で困ったときにコンサルティングを受けられなくなるなど、フランチャイジーだった頃に比べると経営が大変になることは否めません。しかし、一般的にはフランチャイズ契約を更新することができるので心配はありません。契約期間が満了する少し前に本部から連絡があり、契約を更新するか終了するかを相談することになります。
本部としても経営がうまくいっているならロイヤリティーによる利益を受け続けることができ、ブランドとしての人気も高めていくことができるので契約を継続したいのです。ただし、経営がうまくいっていなくて人気も低いという状況の場合には、ブランド価値が下がってしまうことを懸念して更新を断られてしまうケースもあります。契約更新が可能かどうかは交渉次第なので、引き続きサポートを受けたいと思ったら率直に申し出てみましょう。少なくとも再加盟という形でサポートを受け続けられるようにしてもらえるのが一般的です。
契約を更新するときには二つの注意点があります。一つ目は更新するときに費用が発生することがあり、加盟金よりは少なくても数十万円になることがあるということです。あらかじめ資金を調達できるように早めに更新の連絡をしてくれるフランチャイザーもありますが、失念していると更新が難しくなってしまうので気をつけましょう。
二つ目は契約内容が変更されることがあるという点です。典型的なのはロイヤリティーの変更で、契約当初とは業界相場が変わってしまっているという理由で上下動することがよくあります。次の更新までの期間も長くなったり短くなったりすることが多いので契約書の内容は十分に確認したうえでサインすることが大切です。
期間が満了する前にやめられるのか
個別指導塾のフランチャイズでは契約期間が長めになっているため、本当に続けられるのかと心配する人も少なくありません。典型的な五年間の契約であっても、生徒が見つからずに苦しみ続けることになってしまうかもしれないと思うとフランチャイズで開業するのが本当に良いのかどうかで悩んでしまうケースもあります。
期間が満了していないうちにやめることができるのかというのは多くの人が抱く悩みですが、原則としてはやめられません。ただし、違約金を払うことでやめられる仕組みになっているので、それでもなおやめるべきだと思われたときには逃げ道はあります。違約金はかなり高めに設定されていることが多いため、やめるかもしれないと思っているときには金額を確認したうえで加盟するようにしましょう。
ただ、まだ期間内であったとしても違約金を払わずにやめられることもあります。フランチャイザー側が契約に定められた通りのサポートをしてくれないなどの契約違反があったときが典型例です。また、本部と交渉することによって円満な形で契約破棄にこぎつけられることもあります。
例えば開業当初は周囲に個別指導塾がなくて簡単に生徒を集められたものの、その後に急速に数が増えてしまって生徒の獲得が難しくなったというケースを想定できるでしょう。その状況で経営を続けても利益を得るのは難しいとわかったら契約を破棄したほうが良いという結論に達する可能性が高いのです。自己都合で契約を破棄するのは難しいですが、交渉の余地はあるということは念頭に置いておくと良いポイントでしょう。
個別指導塾のフランチャイズ契約は期間が定められていて、原則としてその期間内はサポートを受け続けることができます。本部と加盟店の両者が得られるメリットとデメリットを考慮し、三年間から六年間の期間が定められているのが一般的です。
ロイヤリティーの支払いもその期間内は続けなければなりませんが、状況によっては期間内でも破棄できないわけではありません。また、契約を継続することもできる仕組みになっている場合が多いので、加盟店として経営を続けたいと思っているときにも安心して活用できるでしょう。