退塾を防ぐ!塾経営において保護者とのコミュニケーションの重要性
塾の経営者にとって、もっとも大切なことは何だと思いますか?それが生徒に勉強を教え、成績アップさせることだとしたら、誰にでも塾の経営はできるでしょう。安定した経営と、生徒の退塾を防ぐためには、何よりもコミュニケーションが重要です。生徒だけでなく、保護者とのコミュニケーションの方法を見直して、人気の塾へと変えてみましょう。
コミュニケーションの重要性
塾の経営者としてまじめにやっているつもりでも、いまいち経営がうまくいかない…と悩む人は多いです。人気のある講師といえば、話がおもしろい、生徒に慕われている、信頼されている、そんな存在をイメージするのではないでしょうか。
しかし、コミュニケーション能力が高い人と、話上手な人は違います。コミュニケーションが苦手な人でも、コミュニケーションの仕方を変えるだけで信頼度が上がり、人の心をつかみやすくなるのです。
塾の経営者として必要なコミュニケーションとは?
生徒や保護者から信頼される経営者になるためには、まず聞き上手になることが重要です。コミュニケーション能力がある人とは、話上手なだけではないということを理解しましょう。話の上手な人は、人をひきつけ、相手にもっと話を聞きたい、会話を楽しみたいと思わせます。それでも十分魅力的ですが、塾の経営者としては、それだけでは足りません。生徒がどんなことに悩み、学習に対してどんな思いがあるか、どうしたいかを上手に聞き出す能力が必要になります。
聞き上手な人は、単に人の話に耳を傾け、相槌をうつだけではありません。共感したり、話を最後まできちんと聞いたり、話を理解して的確なアドバイスをしたりして、相手に安心感を与えられる人です。その安心感は、この人を頼りたい、この人のアドバイスに従ったらうまくいくかも…といった信頼にもつながるでしょう。
コミュニケーションをとることのメリット
たとえば、生徒の成績が下がっているとき、会話をせずにその原因を理解するのは難しいでしょう。原因を聞き出すこと、話を聞くことで、改善方法を見出せるかもしれません。話を聞いて、生徒をよい方向へ導くのも指導者の務めです。
また、人は褒められることで、やる気が出たり、自己肯定感が上がったりするものです。成績が上がったり、いつもより頑張っている様子に気づいたりしたら褒めてあげましょう。これもコミュニケーションの一つです。どんなに頑張って成績を上げても褒めてもらえない、頑張ったと認めてもらえない塾と、伸びたときに褒められる塾では、生徒のモチベーションに差が出るだけでなく、講師と生徒の間の信頼関係にも大きく影響します。
生徒は、自分のモチベーションを上げてくれる塾を好きになり、塾で学習することがもっと好きになります。コミュニケーションによって、このようなよい循環が生まれることで、きっと塾の経営も上向きになるでしょう。
生徒とのコミュニケーションが成績アップに繋がる!
生徒とのコミュニケーションを増やすことは、生徒の精神面に大きく影響を与え、精神の安定は、成績アップにもつながります。塾の経営者や講師に対して「厳しい人かも」「成績が落ちたら怒られるかも」といったマイナスの印象を持つ生徒も多いかもしれません。塾は学校と違い、成績を上げるために通う場所であることから、学校の教師と接するときよりも緊張しがちです。
そこで、コミュニケーションをとって、緊張をほぐすことで講師との心の距離を縮め、学習に集中できるようになります。また、先ほどコミュニケーションにおいて、褒めることも大切だとお話ししました。経営者や講師は生徒を褒めるだけでなく、学習に対するアドバイスをする役目も担っています。自分の学力はなんとなく把握できていても、そこからさらに学力アップするにはどうしたらよいか、受験に向けてどんな対策をしていけばよいか、といったことは生徒一人ひとり異なります。
そこで、講師が一人ひとりに的確なアドバイスをすることで、生徒は学習課題が明確になり、目標を立てやすくなります。また、アドバイスによって成績が上がれば、講師のおかげで成績が上がったと、さらに信頼を得られることにもなるでしょう。これも、コミュニケーションをとっていなければできないことです。生徒の話に耳を傾け、悩みを聞き出し、助言するだけで、生徒の成績アップにつながるのです。
保護者とのコミュニケーションが退塾を防ぐ!
生徒とは毎週のように顔を合わせますが、保護者と顔を合わせる機会はあまり多くないのではないでしょうか。しかしながら、保護者は子どもが塾でどんな学習をしていて、どれくらい学力が上がっているのか気になっています。学校と違い、塾とはそういうもの…と考え、諦めている保護者もいるかもしれませんが、もっと塾での様子が知りたい、こまめに学習状況を報告して欲しいと思っている方も少なくありません。
また、逆に塾側は、家庭での学習状況や、保護者の教育方針、進路の希望などについて知る機会が少ないため、学習における対策がしづらいという問題があります。そこで、塾は生徒に対して対応ができなくなることで成績が伸び悩み、保護者は子どもの成績が上がらない…と塾に対して不信感を抱くことになります。
こういったことを防ぐためにも、保護者とのコミュニケーションを増やすことが大切です。塾での様子・家庭での様子の共有ができるようになれば、生徒への対応ができ、成績が上がる、退塾を防ぐ、といった好循環に転じるでしょう。また、情報の共有は協力でもあります。家庭学習での不安を塾に相談すれば、保護者としてできることをアドバイスしてもらえます。
逆に、保護者は塾での様子を教えてもらうことで「頑張っているみたいだね」「成績上がったって先生が褒めていたよ」など、直接見ていなくても、子どもの頑張りを褒めることができます。そうして講師と保護者で生徒の学習を見守るというスタイルが確立すれば、塾に対する信頼感も生まれ、退塾を防げることにもつながるのです。
保護者の心をつかむコミュニケーション術!
さて、生徒と違い教室にいない保護者とのコミュニケーションをどうやって増やすのかが、大きな問題になってきます。保護者とは時々、面談や相談の機会に会うだけだったり、送り迎えの際に少し顔を合わせる程度であったりしませんか?直接会って話す機会は、なかなかないでしょう。
そこで活用したいのが、電話やメールといったツールです。電話は時間を選ばなければならない、仕事でずっとつながらないというケースもあり、なかなかスムーズにはいかないものですが、メールであれば時間を気にせず、必要なことが正確に伝えられます。また、保護者からの回答を得る、相談にのるといったこともできます。塾に相談専用のメールアドレスを設けたり、定期的なメールによる学習状況の報告をしたりするだけでも、保護者は安心できるでしょう。
さらには、ホームページ上で定期的に、普段の授業風景の写真や動画をアップするのもよいでしょう。自分の子どもが写っていなくても、講師がどんな授業を行い、生徒がどう学習に取り組んでいるかを保護者は知ることができます。
このような取り組みは塾側による一方的な情報公開のように思えますが、保護者は情報を受け取り、疑問があれば問い合わせたり、ときには意見したりすることも可能なため、立派なコミュニケーションの一つと言えるでしょう。時間に関係なく写真や動画をアップできて、見る人は好きな時間に見られるうえ、入塾を考えている方の参考にもなることから、宣伝効果も期待できるでしょう。
まとめ
生徒や保護者とのコミュニケーションは、塾を経営するにあたってはマストと言えます。日頃からこまめにコミュニケーションをとっておくことで、退塾を検討しているといったシグナルにもすぐに気づけます。実は人と話すのが得意ではない、生徒とどうコミュニケーンをとったらいいかわからない、という経営者は意外に多いものです。しかし、相手の話にしっかり耳を傾ける、一方的に意見を押し付けない、といった簡単なことに気をつけるだけでもコミュニケーション能力はアップします。また、保護者との連絡には、メールを利用するのも一つの手です。生徒とのコミュニケーション不足を感じている方は、ぜひ積極的なコミュニケーションを心がけていきましょう。