学習塾フランチャイズの3つの指導スタイルとは?それぞれの特徴を解説
学習塾をフランチャイズ運営しようと考えた場合、まずはどんな指導スタイルの塾にするか考える必要があります。指導スタイルによって生徒の人数、講師の人数、設備なども考えなければいけません。またフランチャイズの加盟先も特徴を確認の上契約する必要があります。今回は塾の指導スタイルごとのメリットやデメリットについて解説します。
個別指導塾のメリット・デメリット
個別指導塾にはどういった特徴があるのでしょうか?塾の経営を考えている方は特徴を確認してみてください。
個別指導塾のメリット
個別指導塾のメリットはコンパクトに開業できることです。
個別指導塾は小さくはじめれば開業資金や運営資金を抑えて開業しやすいといえます。集団学習塾は大人数に指導するためある程度広い教室が必要になりますが、個別指導は講師1名につき生徒が1~4名くらいに個別指導します。
そのため講師の数や生徒の数を最初は少なく設定しておくことで、塾の運営もコンパクトにしやすいのもメリットです。とくに自宅を個別指導塾として利用できれば家賃や設備費がかなり節約できるでしょう。
また、大手のネームバリューを借りられる点もメリットです。新しく塾を開業しようと思っても、多くの地域にはすでに大手の塾があることが多いです。そのため無名の塾をオープンしても、すぐに生徒が集まるかというと難しいでしょう。
生徒をゼロの状態から集める維持費が豊富にある方以外は、フランチャイズで個別指導塾を開業するのがおすすめです。大手フランチャイズ本部と契約することで大手の塾の名前を利用できるため、保護者から見て安心感があります。
フランチャイズ本部の経営ノウハウや集客方法を実践できるので、ゼロから生徒を集めるよりはある程度の集客が見込めるでしょう。
個別指導塾のデメリット
質の高い講師の雇用が必要という点はデメリットです。個別指導塾は、生徒ひとりひとりにきめ細やかな指導を行うのが魅力です。
しかしその反面、生徒の得意なところや苦手なところを見極め個別に指導できる講師が必要です。講師の人気や質の高い指導が塾の評価を決めるので、生徒別に柔軟な対応ができる講師を確保しなければなりません。
無名の塾をオープンする場合講師の募集や採用のノウハウがなければ、質のよい講師を採用できるか分かりません。
フランチャイズ加盟店になれば本部から講師を紹介してもらえたり本部で人材募集について代行していたりする場合もあるので、人材募集について自信がない場合はフランチャイズになるのがよいでしょう。
ほかデメリットにロイヤリティの支払いが挙げられます。フランチャイズ加盟店として塾を開業すると、本部に支払う加盟金、毎月支払うロイヤリティが発生します。ロイヤリティは本部のノウハウや名前を利用する使用料です。
売り上げの一部を本部に支払いますが、ロイヤリティの割合がどれくらいか納得の上で契約しましょう。個別指導塾は集団指導塾より生徒の数が少なめになるので、コンパクトに個別指導塾の運営をスタートした場合、全体的な売り上げは控えめになりやすいでしょう。
集団学習塾のメリット・デメリット
集団指導塾の特徴について解説します。どういう指導スタイルの塾を運営したいか迷っている方は、ほかの塾のスタイルと比べてみましょう。
集団指導塾のメリット
生徒を集められれば安定した売り上げが見込めるのがメリットです。個別指導塾は生徒少数に講師がつき指導を行いますが、集団指導塾は講師1人につき生徒が多数なので講師にかかる人件費を抑えられます。
個別指導塾は自宅の一室などを利用してコンパクトに塾をスタートできるのが魅力ですが、その分たくさんの生徒に対応しにくいので売り上げも控えめになりがちです。集団指導塾はある程度生徒の人数が確保できれば売り上げが確保でき、安定した経営が可能となるでしょう。
しかし個別指導塾と同じように無名の塾をオープンしても生徒はなかなか来ないので、フランチャイズ加盟店になり大手塾の知名度や実績を利用して生徒を集めるのがおすすめです。
生徒同士が仲良くなりやすいこともメリットといえるでしょう。集団指導塾は同じ教室で生徒が授業を受けるので、学校と同じように生徒同士が仲良くなりやすいです。フランチャイズ本部の力を借りて生徒が入塾したとしても、何らかの理由で退塾してしまうこともあります。
生徒が塾から離れていかないよう、本部のノウハウを学ぶことにより生徒の定着を目指しましょう。集団指導塾の場合、友達ができて塾に行きたい、楽しいと感じられれば生徒も定着しやすくなりますよね。
生徒同士のコミュニケーションが取れるような授業を行うことにより、友達ができるきっかけをつくってあげるとよいでしょう。
集団指導塾のデメリット
デメリットは教室の確保が必要なことです。個別指導塾は自宅でスタートすれば開業費用や家賃を節約できますが、集団指導塾はある程度生徒の人数を確保するため広い教室が必要になります。
フランチャイズ本部によっては教室の広さや場所にある程度指定がある場合もあるので、確認の上契約を結びましょう。生徒が多くなってくると生徒の管理も必要になるため、講師以外にも受付業務をする事務を雇うなど人件費が発生する場合もあります。
また、コミュニケーション能力の高い講師の雇用が必要な点もデメリットです。個別指導塾は生徒ひとりひとりに指導を行うきめ細やかな指導力が必要です。
一方集団指導塾は多数の生徒に授業を行うため、生徒がしっかり集中できる、理解できるといった魅力的な授業を展開するスキルが必要になりますし、集団授業では騒ぐ生徒や話を聞いていない生徒、自分ばかり質問したがる生徒などさまざまなタイプの生徒に対応しなければなりません。
そのため授業全員が集中できるように質問しやすい雰囲気をつくったり、笑えるポイントをつくったりと多数の生徒とコミュニケーションを取れる講師の雇用が必要になるでしょう。
自立型個別学習塾のメリット・デメリット
塾には自立型学習塾というスタイルもあります。あまり聞きなれない指導スタイルですがどのような塾なのでしょうか?ほかの塾と差別化した塾を開業したい方などは、ぜひチェックしてみましょう。
自立型学習塾のメリット
メリットは生徒ひとりひとりに寄り添った指導ができることです。
自立型学習塾は教室に生徒が集まり基本的に自分で勉強します。勉強に行きづまったり分からないところがあったりすれば講師に教えてもらうというスタイル。そのため生徒ひとりひとりに寄りそった指導ができます。
ほかには省スペース、少人数で運営が可能な点もメリットです。
自立型指導塾では生徒がひとつの教室を共有しますが、集団指導より少人数で運営しやすいのである程度コンパクトな運営が可能であり、大人数に対して授業を行ったり少人数に講師がずっとついていたりするわけではないので人件費も節約しやすいです。
自立型学習塾のデメリット
自立型学習塾のデメリットは、生徒には自立学習が求められる点です。
自立型学習塾は自立学習が基本です。そのため自立学習の習慣がない子どもが入塾してもなかなか集中できない、勉強が進まないといった場合があります。すぐに退塾となってしまうと悪い口コミが近所に広がってしまい集客に影響するかもしれません。
集客する際は、自立学習がメインだということを保護者にしっかり説明する必要があるでしょう。
また、子どものやる気を促す講師が必要な点もデメリットといえます。自立型学習塾は生徒が個別に質問できますが、講師は教室内のほかの生徒にも対応しなければいけません。
そのためスピーディーに生徒の要点に答え、ほかの生徒への指導も行えるような、時間配分や広い視野がある人材を雇用する必要があるでしょう。
まとめ
塾をフランチャイズ経営しようと思った時に、どの指導スタイルの塾が自分に合っているのか見極める必要があります。指導スタイルごとに特徴が異なるので、自分の経営理念や子ども達にどういった教育を行いたいのかも考えてフランチャイズ加盟先を決めましょう。加盟先によって塾の立地、教室の広さ、求められる設備などが異なり、自由度が高いところ、低いところがあるのでそういった点もしっかりチェックして加盟先を選びましょう。