学習塾を開業するなら!場所選びでやるべきこととは
学習塾の成功は、立地選びが大きなカギを握ります。生徒の通いやすさや地域の需要に応えることが重要です。競合の存在や交通アクセス、周辺環境などを慎重に分析し、最適な場所を選定することで、集客力と生徒満足度を高めることができます。本記事では、学習塾の経営を始めるにあたって、場所選びで押さえておきたいポイントを解説します。
学習塾の開業場所を探すときにやるべきこと
適切な場所に塾を開くことで、集客力や生徒の満足度を高めることができ、経営の安定にもつながります。以下は、学習塾の開業場所を探す際に注意すべきポイントとその理由についてくわしく説明します。
複数の場所を候補に挙げる
開業場所の候補地を1か所に絞らず、複数の候補地をリストアップしましょう。理由は、理想の物件がすぐに見つかるとは限らないからです。物件が見つからなければ開業が遅れることになるうえ、焦りから不適切な物件を選んでしまうかもしれません。いくつかのエリアを候補として選ぶことで、よい物件に出会う確率が上がるでしょう。
ターゲットを明確にする
学習塾のメイン顧客層を明確にしましょう。たとえば、対象は幼児から高校生までのどの年齢層か、またその目的は成績向上なのか受験対策なのかを決めておきます。このターゲット設定にもとづいて、学校と塾の位置関係や周辺環境を考慮することが必要です。とくに有名学校の受験指導を目的とする場合は、遠方からの生徒も通いやすい、駅に近い立地が理想的です。
現地視察を行う
物件探しの前には、ターゲットとなる学校の下校時間にあわせて現地視察を行いましょう。生徒がどのルートを利用して帰宅しているのかを確認し、通いやすい道がどこなのかを見極めることが重要です。片側の歩道が通学路であれば、もう一方の歩道は不便である可能性があるため、子ども目線で通学のしやすいかをチェックする必要があります。また、駅やメイン通りからの人の流れや街並みを歩いて確認すると、新たな発見が得られることもあります。
地元の不動産業者と良好な関係を築く
最低でも2件の不動産業者に相談するのがおすすめです。大手不動産業者と地域密着型の不動産業者、両方と関係を持つことで、ネットでは公開されていない物件情報を得るチャンスが増えます。大手業者は広いネットワークと豊富な物件情報を持っており、よい物件に巡り合える可能性が高まります。一方、地域密着型の不動産業者は、その地域に特化した情報を持っており、過去にそのエリアでどのような塾が成功したか、または失敗したかといった地元の詳細な情報を提供してくれるでしょう。
エリア情報のリサーチを徹底しよう
学習塾を開業するにあたって、最も重要なステップのひとつは、適切な開業場所(エリア)を選ぶことです。適切なエリア選びは、その後のビジネスの成否を大きく左右する要素となります。ここでは、開業エリアを選ぶ際に必要なリサーチポイントをくわしく解説します。
児童数を調べる
何となくその地域の人口や児童数を把握していたとしても、本格的に開業を考えるなら具体的な数値にもとづいた判断が求められます。児童数を正確に把握することで、その地域における潜在的な需要が明確になります。ちなみに保育園、幼稚園、小学校、中学校の児童数は、各自治体のウェブサイトや教育機関の公開データなどで調べることができます。具体的な数値を得ることで、ターゲットとなる顧客層がどの程度存在するかを予測しやすくなり、より戦略的な場所選びが可能になるでしょう。
競合を調べる
候補となるエリアにおける競合塾がどの場所に、どれくらい存在するのか、またそれぞれの塾がどのようなターゲット層を持っているのかを確認しましょう。競合塾のターゲットや規模を分析し、自分の塾の特徴や強みを活かせるエリアを見極めることが大切だからです。マップアプリやインターネットを活用すればかんたんに情報を得ることができます。競合が多すぎると、集客が難しくなる可能性が高いですが、逆に競合が存在してもターゲット層が異なる場合は、成功する可能性は十分です。
地域の住宅開発情報を調べる
地域の住宅開発情報を調査することも有効です。たとえば「200戸の新築戸建てが建設予定」や「タワーマンションが建設中」などの情報は、その地域がこれから成長する可能性が高いことを示しています。新しい住宅地やマンションが建設されるエリアは、新たな市場としての可能性があり、これまでに塾が存在しなかった地域でも需要が生まれることがあります。こうした情報は、インターネットでの検索や市区町村の開発計画を調べることで得られますが、実際に車で候補エリアを回り、自分の目で確認することも重要です。現地を訪れることで、インターネット上では分からない、開発の進捗状況や地域の雰囲気などを把握できるため、より現実的な判断が可能になります。
学習塾開業におすすめの場所の特徴とは
どの地域に塾を構えるかによって、集客力や運営のしやすさが大きく左右されてしまいます。以下に、学習塾開業に適した物件を選ぶ際の重要なポイントをご紹介します。
ターゲット層が安全に通える場所に立地しているか
学習塾を選ぶ際、保護者がもっとも重視するポイントのひとつは「家から近いか、通いやすいか」です。とくに小学生の子どもを持つ家庭では、通学路や学校の近くといった通いやすい立地が求められます。塾が通いやすい場所にあることで、子どもが安全に、かつ親の負担なく通えるでしょう。また、塾周辺の安全性も欠かせません。帰宅時に人通りがあり、夜間であれば街灯で明るく照らされているかを確認しましょう。冬場の早い日没に対応するためにも、夜間の安全対策は必須です。さらに、公共交通機関からのアクセスのよさは、生徒のみならず、塾スタッフの通勤のしやすさにも影響します。とくに採用活動において、駅やバス停からの距離が重要視されることがあります。徒歩圏内に公共交通機関がある物件は、スタッフ確保の観点からも有利です。
人通りの多い道路に面しているか
学習塾の存在を地域の人々に知ってもらうためには、人通りの多い場所に立地することが有効です。人通りが多ければ自然と塾のPRにもなり、潜在的な生徒や保護者の関心を引くことができます。地域での認知度が高まることで、集客においても大きなメリットを得られるでしょう。また、学習塾が1階のテナントに位置し、外から内部の様子が見えるとより理想的な物件だともいえます。通行人に塾の雰囲気を感じてもらうことで、興味を持った保護者や生徒が気軽に問い合わせをしてくれる可能性が高まります。また、視認性の高さから、新規顧客の獲得につながるでしょう。
駐輪場や駐車場が確保できるか
生徒が通塾する際に、自転車や親の車による送迎が多い場合、駐輪場や駐車場の有無は重要な要素となります。駐輪場や駐車場が十分に確保されていることで、生徒がスムーズに通塾できるだけではなく、近隣住民とのトラブルを防ぐことができます。
建物が新しい、もしくは古くても清潔感があるか
建物の新しさや清潔感も、保護者が塾を選ぶ際に重視するポイントです。建物が古くても、清掃が行き届き、外観が整っている物件であれば、保護者に安心感を与えることができます。特に塾の入口や外観の清潔さは、第一印象を左右する重要な要素です。
看板が掲示できるか
塾の存在を広く知らせるためには、看板の掲示が不可欠です。テナント物件では一般的に看板の掲示が可能ですが、マンションやアパートの場合は制約があることもあります。大通りから入った場所に立地する場合、特に注意が必要です。看板の掲示場所を確認し、塾の場所がわかりやすいように工夫しましょう。
同じ建物に不適切なテナントが入っていないか
学習塾が入居する建物内に、消費者金融やバーなど、保護者が子どもに近づけたくないテナントが入っていないかを確認することも重要です。安全面に配慮し、信頼性の高い環境を提供することが、保護者の安心感につながります。
まとめ
物件選びは塾の成功に直結する重要なステップであり、慎重に進めることが必要です。焦らず、計画的に候補地を絞り込んでいきましょう。また、児童数の確認、競合塾の分析、地域の住宅開発情報の調査を徹底的に行うことで、最適な開業場所を見つけることができます。これらのリサーチをもとに、自分の塾が持つ強みを最大限に活かせるエリアを選定し、成功に向けたスタートを切りましょう。